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2023/10/13

ストーリー

時代が変わっても、変わらない信念。美味しさ・健康・環境を大切にする「L’thical」(エルシカル)

LEOCが展開するサステナブルなフードブランド「L’thical」(エルシカル)。代替たんぱく質をメインに使用し、環境負荷の低減やカロリーオフを実現した約50種類のメニューがラインナップ。北海道から九州に至る全国の給食事業所で、高い人気を博しています。

その開発に携わった庄司 一智(調理師/プロダクトデザイン本部 執行役員)と大塚 珠季(管理栄養士/プロダクトデザイン本部 執行役員)が味わった「生みの苦しみ」とは。そしてそこを突き抜けるきっかけは、LEOCならではの「美味しさ」にこだわるアイデンティティでした。

庄司 一智(左、調理師/プロダクトデザイン本部 執行役員)と大塚 珠季(右、管理栄養士/プロダクトデザイン本部 執行役員)

LEOCがつくる意味

L’thicalハンバーグ デミグラスソース

「L’thical」につながる商品の開発がはじまったのは、2021年夏でした。

大塚「LEOCとして『サステナビリティにきちんと紐づく商品をつくる』ことが目的でした。企業におけるESG経営の重要性が高まる中、当社のクライアントにとって、すぐに改革に取り組みやすいのが社員食堂です。変化していくお客様のニーズに幅広くお応えする上で、不可欠な商品でした」

中でも取り組みやすかったのが、大豆ミートなどを中心とした代替たんぱく質商品。ところが当初の試作では、「これでは出せない」と感じてしまったといいます。

庄司「当時は代替たんぱく質100%で、できるだけ多品目のラインナップを目指していました。でも100%だと大豆臭さが抜けず、お客様にお出しできるクオリティではなかった。『この商品を私たちがつくる意味は何だろう』という原点に立ち戻る必要があったんです」

そもそもLEOCは、科学的根拠に基づいた「美味しさ」と大量調理に必要なオペレーションを、高いレベルで両立させてきた会社。そしてお客様は全国2,800カ所以上にのぼる、幅広い年齢層の方々です。

大塚「そこで『エシカルフードとは思えないほど美味しい』というコンセプトに設定し直しました。そして代替たんぱく質100%にこだわりすぎず、美味しさをより重視した配合に変えていきました。どんなに環境や健康にやさしい商品であっても、食べてもらえなければ意味がありません。エシカルフードの敷居を下げ、誰もが手にしやすいメニューを目指しました」

本気で納得できる商品に

ブラック醤油ラーメン

「コンセプトの再設定」という、半ば振出しに戻った形のプロジェクト。しかしその決断が、開発メンバーの士気を鼓舞することになりました。

庄司「やっぱり私たちは『美味しいもの』『本気で納得できるもの』にモチベーションを感じるのだと再認識しました。そこからアイデアの数もスピード感も上がりましたね。『美味しくなかったらやめよう』という、我々本来の姿勢に立ち戻れたと思います」

とはいえ、取り組むのは大量調理の給食メニュー。一番重要な代替たんぱく質一つとっても、全国どこでも同じように扱える仕組みづくりが必要です。

大塚「一番重要な代替たんぱく質の選定がまず大変でした。流通子会社のレオックフーズと連携して、手ごろな価格でも風味のよい商品を絞り込んでいきました。またきちんとした下処理ができていなければ、食感や臭いの問題が出てしまいます。どこの事業所でもできる処理法の確立や、その浸透方法にも苦心しました」

そうした仕組みづくりと共に、レシピの検討と試作も進行。現在では約50種類にまで揃った「L’thical」の中でも、特に印象深いメニューは何でしょうか。

庄司「ラーメンですね。100%大豆麺だと臭いや食感の部分でまだ課題があったので、製麺所と連携して、大豆麺30%配合のオリジナル麺を製作しました。またこれまでLEOCが社員食堂などで提供してきた『極み』シリーズの知見を活かし、代替たんぱく質100%で仕上げた麻婆豆腐も、これまでの結晶という意味で感慨深いです」

大塚「唐揚げです。はじめは食感が悪く、十分満足できるものではありませんでした。下処理から火の入れ方・揚げ方に至るまで、何度試作と試食を繰り返したか分からないくらいです。でもそれによって、多くの方にご満足いただけるものに仕上がったと思います」

情熱の結晶

SOY唐揚げ

約50種類の一つひとつに、開発部門の苦労と情熱が詰まった「L’thical」。リリース直後から、お客様の高い評価をいただいてきました。

大塚「どのお客様に伺っても『本当に代替たんぱく質使っているんですか?』というお声ばかりですね。まったく気にせず食べられて、環境にやさしく、カロリーオフにつながっています」

庄司「代替たんぱく質に限らず、以前は健康やカロリーオフを謳うとお客様が『美味しくないのかな』と感じてしまい、先入観で食数が落ちてしまうということがありました。しかし『L’thical』は本気で美味しさにこだわっていますし、そのことがお客様に伝わっているのだと思います」

一方で、さらなる改善にも余念がありません。

大塚「今年、ベースとなる代替たんぱく質を入れ替えたばかりです。クオリティも日々進化していますし、お客様の多様なニーズにお応えできるよう、品目もより増やしていければと思っています」

庄司「『L’thical』の他にも、サステナビリティにつながる取り組みをいくつか準備しています。そうした他のものとの掛け合わせでも、より幅を広げていきたいです」

時代が移り、求められるものが変わっても、「お客様に喜びと感動を」与えるというLEOCの信念は変わりません。美味しい一皿の陰には、お客様の喜びを自身の喜びとするプロ集団がいます。そうした一人ひとりの情熱を大切にしながら、私たちは「食」を通じた持続可能な社会に貢献してまいります。

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