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2020/02/14

ストーリー

【ストーリー】LEOCと特定技能の現在──誰もが働きがいのある企業を目指して

第2回のインタビューは、LEOCをはじめとするONODERA GROUPが推進する、特定技能人財への取り組みを特集しました。

人手不足を背景に、14の分野にわたって最長5年の在留と就業を認める特定技能。全国約2,300カ所に食事サービスを提供するLEOCは、すでにこのビザで7名が就業しています(2020年1月現在)。今回は特定技能運用のキーパーソンと実際に働く社員を軸に、LEOCと特定技能の現在をひも解きます。

【LEOCと海外人財のこれまで】

▲吉村 康之(LEOC グローバルダイバーシティ統括)

LEOCの海外人財採用・育成を担うグローバルダイバーシティ統括の責任者、吉村 康之。

海外人財に限らず、LEOCの人財採用・育成は「単に門戸を大きく広げるだけでなく、そこでどれだけ社員が安心でき、働きがいのある環境をつくるかが第一」と語ります。

吉村 「昨今では働き方改革が盛んに叫ばれていますが、LEOCはいち早く『人手不足=長時間労働の解消』と『待遇改善』に取り組んできました。

2015年には中途採用と海外人財採用の専門部署を設け、2017年には退職金制度や社員の80歳定年制度を整備しました。基本給や賞与のベースアップにも取り組んでいます」

その中でもLEOCがとくに力を入れているのが、海外人財に対する施策です。

現地人財の採用を目的として、2016年にベトナムで日本語学校事業を行うPWベトナムを設立。事業はフィリピンやミャンマーなど東南アジア一帯に広がり、今日では特定技能向けの人財育成・紹介事業を行うONODERA USER RUN(以下、OUR)へと発展しています。

吉村 「PWベトナムの時代は、日本語をきちんと学んだ人財が日本の専門学校や大学へ留学し、LEOCの事業所でアルバイトとして働いてもらうスキームでした。しかし現在では特定技能のおかげで、社員として安定した待遇の中で雇用することができます」

また、採用後の育成・サポートも充実。本社キッチンにおけるハンズオンでの研修や、母国語による業務面・生活面でのサポートなど、慣れない海外の仕事でも安心して取り組める体制を整えてきました。

LEOCやOURを傘下に置くONODERA GROUP全体での連携、そして万全の育成・サポート体制によって、レベルの高い海外人財を数多く抱えているLEOC。特定技能の導入に対して、どのように取り組んだのでしょうか。

【「社員が安心でき、働きがいのある環境」のために】

▲特定技能合格者向け研修「グローバル・トレーニング・アカデミー」

そもそも特定技能とは、人手不足が深刻な14分野(介護・外食・製造業など)で、技能試験と日本語試験に合格すれば最長5年間在留・就業できる新しい在留資格です。

2019年4月に施行され、これまで1,300人以上が合格。219人がすでに在留しています。もっとも、政府の目標は5年間で約35万人の海外人財が日本で働くこと。とりわけ2019年9月時点で、外食分野で実際に働いているのは20人程度です。

一方2020年1月現在、LEOCではすでに7名が社員として就業し、ビザ申請済みのメンバーを含めると実に21名に上ります。もっとも、重要なことは単に海外人財を増やすことではありません。吉村が冒頭に述べた通り、LEOCが重視するのはあくまで「社員が安心でき、働きがいのある環境」です。

LEOCは特定技能導入に当たって、待遇面の整備に力を注ぎました。給与は同地域の日本人専門職と同じ金額。ビザの関係で勤務は最長5年間となりますが、語学手当や転宅手当、福利厚生も日本人と同様に支給されます。

同時に、LEOCが重視しているのは「社員の成長」です。

吉村 「これまでLEOCは『パートナーに成長と幸福を』を経営理念のひとつに掲げ、独自の社員研修『LEOC大学』やカフェテリア型研修などを行ってきました。その理念は海外人財であっても変わることはありませんし、一人ひとりが給食のエキスパートとして、仕事にやりがいや楽しさを感じられるような環境をつくっていきたいと考えています」

LEOCでは、サプラー(パート)として働く留学生向け研修「レオックグローバルスクール」に始まり、特定技能試験を受験するメンバー向けに「レオックサポートスクール」を開催。受講したメンバーの約8割が合格を勝ち取っています。

さらに合格者向け研修である「グローバル・トレーニング・アカデミー」、事業所の責任者を育成する「グローバル・マネジメント・アカデミー」も用意。社員のモチベーションに合わせ、誰であっても働きがいを感じられるような環境を整備しています。

それでは、実際に特定技能で働く社員は、何を思っているのでしょうか。

【入社第一号のフクが感じた、職場の温かさ】

▲グエン・カオ・ホン・フク

昨年4月に始まった特定技能試験。一般的には試験に合格してもなかなか就業できない状況が続く中、LEOCでは8月に入社第一号が誕生しました。

現在、九州の事業所で働くグエン・カオ・ホン・フク。もともと九州の大学へ留学しており、そのころからLEOCの事業所でアルバイトをしていました。

当時の同僚たちの意識は、彼にとって重要でした。これまで多くの海外人財と接してきたLEOCだからこそ、事業所を預かる責任者の方針は「外国人であっても特別扱いはしない」こと。

フク 「もともと『わからないことは恥ずかしいこと』と感じがちで、質問するのをためらうこともあったんです。それでわからないことを聞けず、困ってしまったこともありました。

それでもいろいろなことをしっかり教えてくれたサプラーのおばあちゃんや、自分から質問をすると『まじめに頑張っているね』と認めてくれた職場の方々のおかげで、自分の仕事に自信を持てるようになりました」

国籍の分け隔てなく温かく接する職場の雰囲気を肌で感じ、フクは次第に「卒業後もここで働きたい」と感じるようになりました。大学卒業後もLEOCで働き続けるべく、特定技能試験を受験。

フク 「事業所で働きながら勉強するのは大変でしたが、『レオックサポートスクール』のように、自分と近い環境の中で一緒に頑張っていける仲間がいたことは、大きな励みになりました」

そしてフクは無事に合格。ビザの申請を経て、現在契約社員として勤務しています。

勉強熱心で、現在は責任者の仕事を代行できるまでになったフク。事業所の責任者をはじめ、職場の厚い信頼を勝ち取っています。

フク 「いつになるかわかりませんが、いつかベトナムか日本で自分の店を経営することが夢です」

そんな夢を語るフクは、まず「日本人の口に合う料理をつくれるようになる」ことを目標に掲げ、さらなる成長を目指して日々努力を重ねています。

【LEOCとONODERA GROUPのこれから】

▲OURがミャンマーで運営する日本語学校・PWミャンマー

特定技能の施行から間もなく1年。LEOCは2020年5月までに50名以上の就業を視野に入れ、受け入れ準備を進めています。

そしてOURも今春から本格的に始動。東南アジアにおける介護人財教育から、国内の介護施設へのコンサルティングと人財紹介、仕事面や生活面でのサポートまでワンストップで行うサービスを提供します。すでに東南アジアでは200名以上が特定技能試験に合格し、順次就労していく予定です。

吉村 「OURの原点は、全国約1,500カ所の介護・医療施設でお食事を提供させていただく中で、介護現場の切実な実態を目の当たりにしたことです。

そこから食の分野だけでなく、より施設様に対して何かお手伝いできることがあるのではないかと検討を重ね、OURが生まれました。

少子高齢化が進む中でも、信頼できる海外人財が食と介護の現場でいっそう活躍していけるよう、ONODERA GROUPは力を注いでいきます」

これから進んでいく海外人財の活用。LEOCとONODERA GROUPは、お客様の安心と社員の働く喜びを両立させていけるよう、これからもまい進していきます。

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